「ストリートライフ・セレナーデ/ビリー・ジョエル」 74年 評価3


 前作「ピアノ・マン」でキャッシュボックス誌の最優秀新人賞を獲得。この作品で一気に!というところだったが、思わず滑ってしまった作品。このあとの『ニューヨーク物語』の質の高さと比較すると、その元凶はプロデューサーとスタジオ・ミュージシャンにあったことは明白。やはり自身のバンドでないことから、音の変化に乏しいし、決められた楽器の音しか聞こえてこない。それが結局は全体を通しての単調さを生んでいる。また、前作と同じプロデューサー、マイケル・スチュワートは何を思ったかカントリー風のアレンジを多用し、ビリーの本来の持ち味を伸ばしてやることが全く出来ていない。

 まぁ、曲自体も前作のようないい意味ではじけたところがなく、ちょっと守りに入った感もあり、ビリーにとって一番の凡作と個人的には思う。